パープルインタビュー/NPG Prince Site KID氏 情報系01
日本語で「プリンス」「曲名」を入力すれば、必ず上位に出てくるサイト、【NPG Prince Site】、その膨大な情報量と客観性を忘れない解説は、数え切れないくらい多くの人たちのガイドとなってきた。日本語圏における最大のプリンス情報データベースをリアルタイムで更新し続けるその情熱はどこからくるのか?オーナーであるKIDこと松下康博氏にお話を伺った。
――まずはプリンスを聴かれるようになったきっかけ
最初に聴いたのは学生の頃、AMラジオから流れてき
――I Wanna Be Your Loverがファーストコンタクトだったんですね!それ
その時は単に好きな楽曲の1つ程度だったんですが、D
その時、初めてプリンスの容姿をアートワークで知る事に
――ショックを受けた、と(笑)その衝撃は、どちらの方
最初は”ビキニ・・・”って感じでしたが、良くも悪く
元々、カーティス・メイフィールドが好きだったので、
――純粋に音楽で判断できた時代だったんですね!ずっと
難しいですね・・・小柄な体から繰り出される音域の広
ビキニパンツで踊ってるプリンスを見てビックリしたん
ーーーいちばんアヴァンギャルドな時期じゃないですか!
今だとネットで簡単調べられるけど、あの当日は情報も
――そのようなご苦労があったんですね!松下さんのサイ
最初のとっかかりはThe TimeやVanuty 6でした。そこでプリンス・サウンドだけど自分で表現出
―――このアルバムは聴いておくといいよ
時代毎に色々良いアルバムがあるから難しいですね・・
色んなサウンドを吸収したプリンスだけどジャズはずー
―――確かにそうかも知れないですね!90年代のプリン
90年代は新しくNPG Recordを設立した大きな波でしたね。チャカ・カー
ジョージ・クリントンみたいな大御所がいるかと思えば
――40組以上!90年代も新人からベテラン復活サポー
私より豊富な知識をお持ちのファンがいる中で、お声か
特に今回の書籍のプロジェクトで歌詞、リリースされた
――膨大な蓄積、そしてご自身のサイトでの情報発
悲しみはなかなか癒えませんが、私自身はこれからも彼
―――貴重なお話の数々、どうもありがとうご
こちらこそありがとうございました!
NPG Music site
http://www.npg-net.com/
プリンスが書いたのはたったの28ページ、スーパーボウルまでを書くと発表されていた事を考えると曲にしてみればAメロどころかイントロにも満たないラフなメモ。完璧主義のプリンスにとって未完成過ぎる作品ですが、冒頭の一音目から繊細且つ衝撃的な言葉選びはプリンスらしい歌詞の様で、もし完成していれば回顧録として革命が起きていた事は想像に難くなく、隣で追体験するような感覚に浸る事ができるダン・パイペンブリング氏による序章も素晴らしいです。翻訳をされた押野素子さんに感謝します。
――KID(http://npg-net.com運営・書籍『プリンス・ファミリー大全』監修者/執筆者)
DU BOOKS
diskunion/DU BOOKS (@du_books) | Twitter
THE BEAUTIFUL ONES プリンス回顧録/PRINCE / プリンス|DU BOOKS|ディスクユニオンの出版部門
食わず嫌い王子 02 勝井 洋/理学療法士
食わず嫌い王子 ~あなたの殿下がここにいる!かも?~
ヨーロッパやアメリカでは「現代のモーツァルト」として高く評価されリスペクトされる一方、日本の一般層には「プリンス?誰それ?」状態。そんな時代に、究極のお節介企画、『食わす嫌い王子』。プリンスをあまり聴いていない方、存在自体知らない若い世代に、「殿下の音楽は届くのか?」実験的インタビューをここにお届けします。
勝井 洋さん/理学療法士 https://twitter.com/fightingmed
ーーーこんにちは、紫大学です。このような実験的な企画にご賛同いただき、ありがとうございます。まずは勝井さんの自己紹介をお願いします。
勝井:勝井洋と申します。この度はとても面白い企画へ参加させて頂きありがとうございます。私は格闘技をしていたことからリハビリの理学療法士という仕事に就いています。音楽は高校の頃は同級生に洋楽好きが何人かおりロックを中心に勧められたCDを聴いていることが多く、激しい曲調で政治的な思想をメンバーが持っていることにも興味がありRage Against The Machineが特に好きでした。
ーーーロックからスタートされたんですね!
勝井:はい!20代からヒップホップを好きになりその中でも特に生き方にも刺激を受けた2PACのファンになり今もよく聴いています。ジャズも好きで毎年常連として通っていたカフェで行われていた野外ジャズライブに行っていたこともありました。
今は特定のジャンルやミュージシャンにハマっているということはありませんが、寝る前には脳をリラックスさせるような音楽をかけたり運転中に好きな音楽をかけたりなどライト感覚で音楽を楽しんでおります。
ーーーなるほど、医療者であり、格闘技もされているのですね。RATM、2PACがお好きということですが、ぜひ彼らの魅力を教えてください。
勝井:RATMの魅力は感情を揺さぶられるような音の強さがあることで、特にアドレナリンが出るような曲をよく格闘技の練習に向かう車の中で聴いていました。20代後半になると少し落ち着いてリラックスして聴けるような音楽が好きになり、2PACの作品にはアップテンポなものだけでなくメロウな曲もあることに魅力を感じています。
そこから2PACがどんな人物かにも興味を持つようになり、短い生涯の中でも多数の未発表曲を残して多作であったことや、当時の黒人社会の厳しい環境をリアルに伝えていることに一人の人間としての強さを感じてより好きになりました。2PACが獄中で読んだ哲学者のニッコロ・マキャヴェッリの著書「君主論」に影響を受け「マキャベリ名義」にしたエピソードがあり、当時の自分はそれを知って現実的な考え方やリーダー論の勉強になるきっかけをもらいました。
―――RATMのアドレナリンがでる、すなわちテンションがあがるような音楽はここぞというときの強烈なカンフル剤としても意義があるように思います。そして2PACは25歳で凶弾に倒れた、カリスマラッパーですよね。よろしかったら、勝井さんのお薦めの曲を紹介していただけますか?
勝井:推薦曲は「To Live and Die in L.A.」です。歌詞にある「またこうして耳障りな曲を書いてる俺。けどこんな俺でも物事を前向きに考える事を身につけたんだぜ。だからこうしてペンを片手に戦ってるのさ 」という言葉にポジティブ思考が感じられて好きです。
―――2pacの歌詞も力強いですね。名前を変えて活動した、という点も興味がわくところです。こうやってお話を伺っていますと、「差別や問題の中にあっても強くあろうとする意志のような音楽」が勝井さんのお好みなのかな、という印象を勝手に受けたのですが、いかがでしょうか?もちろんそれだけではないという前提の上で。
勝井:仰る通りだと思います。逆境の中から立ち上がる、自分を強くするような勇気をもらえる音楽は楽曲だけでは無い「何か」を感じます。自分の中ではそういう要素もひっくるめてカッコ良さであったり、曲から受ける印象であったりが音楽に求めるものなのかも知れません。
強くなりたかった、格闘技をやり始めた頃や社会人として働き始めた頃の気持ちとリンクしているような気もします。そのミュージシャンに対する憧れもセットで好きになっているのも確かにあります。ですので今の自分の状態や気持ちに合わせた音楽に出会えたら、そこからまた好きになれる音楽との出会いがあるのかもしれないと、質問を受けて私も気付かせて頂きました。
ーーーなるほど、格闘技、お仕事、ご自身が目指す方向などをふくめて、音楽がそれらを緩やかにつないでいるのかも知れないですね。
2PACのご推薦の曲も聞かせていただきましたが、あくまでも主観ですが、アメリカ西海岸の開放感ある心地よいサウンドの中に、時々いわゆる放送禁止のダーティーワードが混じってくる感じが印象的でした。「だからこうしてペンを片手に戦ってるのさ 」のメッセージ通り、ポジティヴなサウンドと映像に伝えたい本音を乗せてるのかな?なんて。続いて、RAGE Against The Machineも検索してみました。
「疾走感に溢れててカッコいいなぁ!」が第1印象だったのですが、何回か聴くと、1曲の中に抑揚があったり、展開があったりで、「いわゆるノリだけで突っ走る感じ」じゃないんだなぁ!と。フラストレーション溜まったときに大音量で浴びたい曲がまた見つかった気分です。
勝井:音源を検索して頂きありがとうございます。2PACのこの曲はいつ聴いても日本には無い独特の感性を感じます。レイジのこの曲は総合格闘技イベントPRIDEのテーマにも使われていて久しぶりに聴くと当時の熱さが蘇ってきますね!
ーーーたしかに!2PACは映像も含めてLAを知る手がかりのような気がしましたし、RATMと格闘技は納得の組み合わせですね!またあらたな音楽を知れて嬉しいです。ありがとうございます。では、まず1曲目を選んでみたいと思います。「こんな感じ」とか「ジャンル」とか何でもいいですので、お知らせください。
勝井:では、自宅でトレーニングで一人でもモチベーションが上がるような曲をお願いしたいです。
ーーーわかりました、ではEndorphine Machineをご紹介します。
勝井:まずは曲のパワフルさを感じました。全ての音が大音量で流れているような、それぞれの力強さがありますね。そしてリズムに乗りやすいのも格闘技トレーニングにはすごく良いですね。始めから終わりまでずっと乗っていられる心地よさがあります。
曲の全体的な感じとしてはすごく明るいですね。怒りをぶつけるような曲ではなく、中にあるエネルギーをとにかく解き放ちたいようなエネルギッシュさからくる激しさ、こんな感じは身体を動かしたい衝動ともリンクすると思いました。
「細かいことは気にせずガンガン行こう」というような気持ちにさせてくれるのも日常のストレスを気分転換したい時に良いですね。プリンスのシャウトや途中のラップのような部分も印象的で、楽しく歌っているのが伝わってくるような感じがあって好きなことに打ち込みたい時にも気分的にマッチするように感じました。
ーーー素敵なインプレッションをありがとうございます。K-1のテーマにもなった曲でもありますので、パワーありますよね。そして「エネルギーを解き放ちたい」という言葉にはびっくりしました。
勝井:おおお!
ーーーこの時期のプリンスは、名前をシンボルマークに変えた時期で、簡単に言えば「新しい自分としてデビューする」そんなフレッシュさがあって。音と映像からも以前のプリンスとは明らかに異なるオーラを放ってるような気がします。
ラップの部分、言われてみればラップでしたね。僕なんかは逆に、プリンスのいろんなスタイルが混ざった唱法に良くも悪くもなれてしまっていますから、逆のその表現が新鮮だったりします。
勝井:色々とお話を聞くと面白いですね。「新しい自分としてデビューする」、そんなタイミングと重なっていた曲だとは知りませんでした。
ーーー新しい名前は発音できないシンボルマークだったんです。「改名しますが、新しい名前は読めません」って意味が解らんでしょう(笑)?
勝井:発想がすごいですね。他のアーティストには無いプリンス独自の魅力という部分でしょうか。
ーーー長年フォローしてきた支持者でも「???」なんてことはしょっちゅうあってですね。「はーー?」「なにそれ?」みたいに「?」を投げてくるんです。また質問で恐縮ですが、勝井さん、音楽って見るものですか?聴くものですか?
勝井:見るものと思ったことがあまりなかったですが、やはり聴くものではないでしょうか。
ーーーそうですよね、音楽は目に見えない。じゃあ、彼のシンボルマークは目には見えるけど、読めないし発音できない。ということは・・・・
勝井:発音できないものは、見て感じるしかないですね。
ーーーそうなんです。感じろ、そして自分で意味を考えろ!と。彼は最終的に答えを言わなかったんですが、「形には見えないプリンスの音楽」に「発音できない形を与えた」、つまり「プリンスの音楽」をシンボライズしたと考えられるわけです。
勝井: あー、なるほど、音楽にそれまでには無かった見えるイメージが付与されるような感じですね。プリンスといえば…と思った時に音だけで無く可視化されたイメージがわくような。
―――まさしく。逆に形をみれば音楽が想起される。音楽に形を与えた人、でもあるわけです。普通、そんなことは誰も思いつかないですよね?
勝井:音楽に形を与える・・・それだけ音楽というものを深く考えていたような気がしますね。そのお話を伺うと、音楽の世界だけで考えるのでは無く、全体の中の音楽を考えていたのではという気がします。音楽というジャンルの壁に穴を開けて現実に生きてる人たちに何かを語りかけるメッセージがあるのかも、と思わされます。
ーーー今、勝井さんが仰ったとおりだと思います。映画にしても、スポーツにしても、学問にしてもそうかもしれませんが、彼は「音楽は人々にとってどうあるべきか?」という視点を持ち続けたんじゃないかな?と僕は思います。
勝井:興味深いところですね。私はそういう「人」の部分を知るのが好きなのでこういうお話はとても楽しいです!
ーーーお付き合いいただきありがとうございます!それでは2曲目に参りましょう。なにか浮かびましたらお知らせください。
勝井:ここまでは元気の出るような曲でしたので今度は気持ちがリラックスするような曲、夜に聴きたくなるような曲はいかがでしょうか。
ーーーでは、瞑想、入眠用の1曲としてこちらはいかがでしょうか? プリンスの覆面プロジェクト、Madhouse のEightです。
勝井:瞑想、入眠にぴったりですね。無駄を省いた音が印象的な序盤から、だんだんと舞台が作られるように音が重なり、3分を越えたあたりからは色んな音と旋律がキャラクターとして次々に入れ替わり登場するような情景が浮かび楽しい音楽として最後まで聴きました。
この曲一つの中で自分が好きなパートを探して人と比べてみるのも面白いかもしれませんね。全体的にも落ち着いているのですごく聴きやすかったです。
――よかったです!
勝井:瞑想時に心を落ち着かせたい時にも、今聴いている音そのものに精神が引き込まれて、雑念が無くなる感覚があって良いですね。心がざわついている時にはこれからも度々聴きたいと思いました。
こういう曲は今まで聴いたことが無かったです。ジャンルがあるのか分かりませんが、型にはまらない、脳へ直接作用するような音の連続は非常に心地良くて好きになりました。素敵な曲に出会わせて頂いてありがとうございます。
ーーー繊細な部分まで言葉にしてくださったことをうれしく思います!おっしゃる通りで、この曲の面白さのひとつは、少しずつ、少しずつ、音が丁寧に重なっていくところだと思います。
最初のリズムを刻む変な声?が徐々に他のサウンドに包まれていくような。ちなみにこの曲、データベースによれば、サックスとフルートはエリック・リーズ、残りはプリンス自身が演奏してるとされています。ほんとかよ!?といつも思うんですが。でも、この人ならやりかねない、という。
勝井:そこがまたすごいですね。まさかとは思ったのですが、プリンスが様々な楽器に精通していることを証明するような曲ですね!
ーーー尋常じゃないですよね(笑)ちょっと話が戻ってしまうのですが、2PACのことで思い出しました。ジャネット・ジャクソンが主演の映画、Poetic Justiceに2PACも相手役で出演しているのですが、そのサントラにプリンスが書いたGET IT UPという曲がありまして、当時飛ぶ鳥落とす勢いで大人気だった3人ガールグループのTLCがカバーしているんです。
勝井;プリンスの幅の広さに驚きました!まさか2PACやTLCとも映画作品を通して繋がっていたとは思いませんでした。この曲も耳に残るキャッチーさがありますね。
ーーーそもそも、ジャネット・ジャクソンがブレイクしたのは、プリンスの子分バンド、ザ・タイムのメンバー2人がプリンスに解雇されたところからスタートしてるんです。
勝井:え!?そうだったんですか!関連しているどころか源流に関わる繋がりだったんですね。そこからどうなるんですか?
ーーー解雇されたジャム&ルイスの2人組はプロデューサーとして頭角を現し、ジャネットを「マイケルの妹」からジャネット・ジャクソンに成長する手助けをしたんです。その子分バンド、ザ・タイムの曲(プリンスが書いた)をTLCがカバーしている、という運命の皮肉で、2PACともつながる、という(笑)
勝井:なんだかすごい繋がりですね。プリンスの周りには有能な人もたくさん集まっていたということでしょうか。
ーーーそうですね、結果として才能が集まったんですけど、やっぱりミネアポリスという田舎にいながら、しかも人種的マイノリティがメジャー契約を勝ち取った、ってのが、最初の扉を開いたみたいです。それまでNYとかLAに「上京」するしかなかったんですけど、「実力があれば何とかなる!」を見せつけちゃった。
勝井:それは凄い!
ーーー映画『パープルレイン』で、ミネアポリスを音楽都市として有名にして。ジャネットもミネアポリスに滞在して録音したり、で。
勝井:不利な状況をひっくり返しちゃったんですね。それも大きな影響ですね。新しい扉を開くのはそれまでにない結果を出すような突き抜けた実力だったということですね。プリンスのキャリアは、計画的だったんでしょうか?
ーーーどこまで計画だったかはわかりませんが、僕がスゲーな、とデビュー前に「飛びつかなかった」ことですね。いろんな話もあったけど、納得いく契約になるまで、金が無くても耐えたらしいんです。僕ならすぐ飛びついちゃうだろうな、と。
勝井:そういうところもすごいですね。自分の能力の高さを分かっていて安売りはしなかったということですね。
ーーーそうかも知れないですね。10代の頃は1日12時間くらい練習してたそうですから、虚勢ではない自信があったのでしょう。さて、いよいよこのおせっかいな企画も、ラスト曲となります。どんな感じで参りましょう?
勝井:せっかくですのでプリンスの才能や能力の凄さが分かる一曲が聴きたいです。プリンスがそれだけの練習量をこなし、自信があったことを感じられるような、もちろん表には分からない裏話も含めてのエピソードのある曲など、渾身のおすすめ曲を教えて頂きたいです。
ーーーでは、こちら Condition Of The Heart を。もしも可能ならヘッドフォンを使って試していただけたら。
勝井:何度も聴いてみました。ヘッドフォンでの大きめの音で聴いた時、一つ一つの音の響きや違いが感じられて重厚さがとてもよく分かります。それだけ繊細さの積み重ねのような曲なのだと思いました。一つの曲の中に一体いくつの楽器が使われているのか、と思わされる前半部分でした。
後半から始まる歌声に合わせるようなそれぞれの音も一つとして同じものが無いように思いました。これもヘッドフォンで雑音の無い状態で聴かないと感じにくい部分ですね。
これだけの構成を考えるのはすごい手間がかかっているのではないかと思いました。このようなじっくりと聴かせる曲があるというのが、今までプリンスのイメージとして知らなかったことなので興味深かったです。もっとキャッチーさがあってポップな曲を作るイメージがあったのですが、プリンスの力の幅広さを感じる一曲でした。何度聴いても飽きが来ない曲でもありますね。1人の時間で集中して過ごす時には聴きたい曲という印象でした。
ーーー長めの曲に関わらず聴いてくださりありがとうございます。そして一人の時間を過ごすときに聴きたい、という言葉に驚きました。歌い出しまで、イントロが二分四十秒くらいあるんですが、全くキャッチーではないし、ラジオやストリート、ショッピングモールでかかるような曲では無いのは間違いないと思うんです。ヒットには不向きということですよね。
勝井:たしかに。
―――じゃあ、なぜプリンスはこのような曲をアルバムの中にぶっこんでくるのか?それを考えたときに、まさに勝井さんのおっしゃる通り、一人の時間を過ごす、すなわち自分のインナーな世界に向き合うためなんじゃないかと思うんです。
僕がそういうことに気がついたのは、聴き始めてからかなり経ってのことなんですが、今日初めて聴かれた勝井さんがその印象をもたれたことに驚きました!
勝井:プリンスとインナーな世界と聴くと、しっくりくる感じがするのですが、プリンスはこういう曲の良さを世間に知らせたかったという思いがあったのでしょうか?私はこの曲からプリンスの芸術家としての一面を見たような気がしました。
ーーーきっとあったと僕は思います。「魂を込めて音楽をやれば、自分に起きた変化が聴いている人にも必ず起きる」彼はこのような発言をしていて、自分の中での深い気づきであったり、反省であったり、寂しさであったり、怒りであったり。そういうものを作品として発表することを恐れなかったんですよね。
勝井:魂を込めて音楽をやれば・・・
ーーー勝井さんも、医療者として患者さんに共感するというか、感情を共有するような場面を経験されることはありませんか? プリンスがやってきたのも、おそらく深い部分でつながる、ってことなんだと思いますし、インナーな世界、つまり「パーティー」だけじゃなく 「内省」も促したんだと思うんです。
勝井:すごいです。そのプリンスの言葉に感動しました。仰る通り、他の分野や仕事においても同じことが言える、普遍性を持った言葉ですね。これは今の曲と合わせて私の人生に新しい大切な気付きとしてずっと残ると思いました。
私の体験と重なる部分としても、本当はリハビリという体験を通して患者さんには自分の身体のことを知って自らコントロールできるようになる、ということが伝わった時、気持ちを込めてやっていて良かった、と思います。
本当は伝えたい部分はそこでも、やはり誰もがすぐにはそこまで意識はできない、だからその現状を踏まえて患者さんが受け入れやすい形で治療のプログラムを考えて提供するのですが、それは音楽に例えれば耳触りの良い音楽ではあるけれども本当に自分がやりたかったことでは無いような…「大ヒットはしたけど自分としては実はイマイチな曲だった」と表現するような感覚があります。
―――そのお話、ぜひ続けてください。
勝井:はい、私が理学療法士として成長する為に、1人の時間で学問としての理学療法や医学に向き合ってきたこともすごく大切な自分自身の変化になっており、それは決して楽しいだけの過程では無かったのですが、その先には素晴らしい成長が待っていた、ということも伝えたい思いがあります。そういう部分は学生さんや後輩に伝えたいと思っていてもなかなか伝わらないことなのですが、私も「魂を込めて」やっていることなので、「自分に起きた変化が聴いている人にも必ず起きる」という言葉に勇気をもらった気がしました。
ーーー今の勝井さんの言葉に、感動する僕がいます。後天的に獲得された医学知識と経験がベースにあり、相手に対する責任と愛があるから、今のお仕事でプロとしてやっていけるのだと思うのですが、それは逆に見れば、患者さんとのギャップでもあるわけで、伝わる、伝わらない、とか誤解や曲解も必然的に内包すると思うんです。
それでも勝井さんが目指していらっしゃる「患者さんが自らコントロールできるようになる」地点というのは、まさにプリンス自身が目指した地点だと思うのです。
勝井:誤解があろうともその地点を目指した。
―――そうです、結局この人が伝えたかったテーマは「オレはオレの歌を最大限に歌うから、お前はお前の歌を歌ってくれ」ってことであって、医療者として「自立」を支援される勝井さんの態度に、なんかプリンスのマインドを見つけてしまったような気がするんです。
勝井:おおお〜、すごいです、まさかプリンスのそういう根本的な考えがあったとは!「お前はお前の歌を歌ってくれ」というマインドは人生をどうより良くするかに繋がっていると思います。医療は健康という面で人のために仕事をしますが、プリンスはアーティストとして人の生き方や哲学に関してより良くしたいという思いがあったのではと思いました。
―――それが伝わっていちばん喜んでるのは彼だと思います。
勝井:だったら私も嬉しいです。何よりプリンスが実際にアーティストとしてとった方向性に私は興味を持ちました。突き詰めた考え方は他の人とのギャップでもあるので、やり方によってはただのエゴの押し付けとしてGIVEでは無くなってしまうと思います。でもプリンスはセールスでも結果を出し、同じ業界のアーティストにも多大な影響を与えたという点でしっかりプラスの方向へ持っていったというのが、私が学びたいところです。
ーーープラスの方向!
勝井:プリンスはすごく人並み以上に考える人だったのではないかと私は想像しています。自分とも向き合い、外の世界とも向き合い、2つの世界を矛盾なく最高の形で成立させる境地を見つけることは難しいと思います。自分の思い描く理想と現実とのギャップに、自分が現実に合わせて妥協することで折り合いを付けることが私自身ありますし、そこで苦悩することも多いです。だからプリンスの伝えたかったテーマの「オレはオレの歌を最大限に歌うから、お前はお前の歌を歌ってくれ」という言葉がすごく考えさせられます。
そして「オレの歌を最大限に歌う」プリンスに憧れる人がいることから、彼は「その人が変わるという道筋」を考えたのではないか、と思いました。それを成立させたのが圧倒的な音楽的スキルやセルフプロデュース力だったのならそれはプロとしてすごくカッコいいですね。
―――その人か変わる道筋、なるほど。
勝井:私も医療者として「自立」を支援する思いがあったら、それを本当に実現できるようにしたいです。
一度きりの人生をどう使うか、この対話から考えさせられるとは思いもしませんでしたが、プリンスを知ることがそういうことに繋がった、というのは見事に「お前はお前の歌を歌ってくれ」と考えたプリンスの狙い通りだったんだと思います。こういうことは例えば一冊の哲学書を読んで影響を受けるような感覚に似ていますね。このインタビューはすごく楽しかったですし、人生観を考えさせられるような機会を頂けてすごく有り難かったです。本当にありがとうございます。
ーーー彼もまた自助努力により圧倒的才能を手にしながらも、苦悩したんだと思います。水準が高ければ高いほど、やはり理解できる人の分母も減ってしまう。あのクラスになれば、プリンスという大企業みたいなものですから、やりたいことやるにはヒットも出さなきゃいけないし、授賞式にも出なきゃならないし、伝わりやすいこともしなきゃならない。時代と合わない時もあっただろうし、人間だから身体も引退できないアスリートみたいにボロボロになっていったと思われます。
勝井:たしかに、天才とはいえ人間ですもんね。
―――傷つき、倒れ、また立ち上がり、音を鳴らす。そんな生き様みたいなもので魅せてくれた芸術家なんですね。あれほど名曲がたくさんありながらも、人々に「曲」ではなく「プリンス」が記憶されてしまうのも、そんな特質があるからかも知れませんね。
勝井:ほんと、プリンスという人が気になってしまいますね!
ーーー今回は、勝井さんとのお話を通じてヒップホップやミネアポリスの影響から、インナーな心象風景まで、多岐に渡るディスカッションができたこと、心から感謝します。楽曲もさることながら、表現を通じた「生き様」が伝わることが、その人が「存在」するということなんだ、と確信した時間でした。お付き合いいただきありがとうございました!勝井さんのご活動のほうも、これからも応援しています。
勝井:こちらも鳥肌が立つようなインスピレーションを頂いて、素晴らしい時間でした。Purple University のコンセプトは本当に素晴らしいと身をもって体験させて頂きました。ありがとうございました!
(構成・編集 Takki)
この記事が完成したのが4月19日、同日に公開され、Twitterなどでも反響をいただきました。そして4月21日、プリンスの命日。私Takkiの携帯に、師匠の原さんから着信が。この記事を読んだ原さん曰く・・・勝井さんが推薦してくれた2PACの曲にはプリンスのDo Me Babyがサンプリングされている、というのです。つまり勝井さんはプリンスの声をすでに聴いていた・・・ちょっと驚いてしまい追記してます。
(4/21 追記 Takki)https://www.billboard.com/articles/columns/hip-hop/7341638/10-rb-rap-songs-prince-samples
食わず嫌い王子 01 三浦宏文/インド哲学者
食わず嫌い王子 ~あなたの殿下がここにいる!かも?~
ヨーロッパやアメリカでは「現代のモーツァルト」として高く評価されリスペクトされる一方、日本の一般層には「プリンス?誰それ?」状態。そんな時代に、究極のお節介企画、『食わす嫌い王子』。プリンスをあまり聴いていない方、存在自体知らない若い世代に、「殿下の音楽は届くのか?」実験的インタビューをここにお届けします。
01 三浦宏文さん/インド哲学者
三浦宏文 MIURA Hirofumi (@HirMiura) | Twitter
ーーーこんにちは、紫大学です。まずは三浦さんの自己紹介をいただけたらと思います、どうぞよろしくお願い申し上げます。
三浦宏文と申します。インド哲学の研究者ですが、それでは食べられないので大学の非常勤講師の他、予備校や看護学校、高校などでも教えています。
ーーーありがとうございます。主に哲学、そして教育にも関わられていらっしゃるのですね。趣味や好きなことはなんですか?
三浦:いちばんの趣味としては中学高校とやっていたラグビー観戦ですね。そしてアイドルグループのももいろクローバーZ(ももクロ)をあるきっかけで好きになり、ライブなどにも時々行っています。あとドラマや映画をよく観ます。今予定している著書はそういうサブカルチャーと仏教やインド哲学との関連を考察したものです。
ーーーなるほど、スポーツ、アイドル、サブカルチャーに哲学。三浦さんの幅白い嗜好性が伝わります。この企画は、プリンスをきちんと聴いたことがない方に、その方の趣味趣向や方向性にそった曲をお薦めする、という実験的なおせっかい企画なのですが、三浦先生はプリンスという音楽家をどのように認識されていますか?
三浦:私もプリンスの名前と曲は「パープルレイン」の頃から知ってましたが、特にとんねるずさんの番組のパロディネタから入った「バットマン」の印象が強かったです。大学に入ったぐらいだったんですけど、いつも他の洋楽と一緒にカセットに入れてウォークマンで聴いてました。ダークだけどダンサブルでかっこよかった。そして私はマイケルジャクソンをよく聴いてましたが、マイケルにはない色気をプリンスには感じてましたね。一言で言うと、セクシーなイメージが大きかったです。
ーーーパープルレインとバットマンのイメージですね。どちらも全米1位を獲得したメジャー作品でしたからからセクシーなイメージは広く伝わっているかも知れないですね。ではでは、早速、三浦さんへの1曲目を選んでみたいと思います。今の気分でも構いませんし、好きな音楽のタイプやジャンルでもいいですし、思いっきりロックなの、とか、わかりやすいポップがいいとか、前衛的なのとか、なんかありましたら教えてください。
三浦:私はやはりダンサブルな曲のイメージが強いので、まずそういう曲をお願いします。
ーーーでは、ダンサブルな1曲としてLOOSE! を選んでみました。
三浦:いま、三回ほど聴きました。一言で言うと「かっこいい!」です。やっぱり最初のシャウトがいいですね。高速で車運転する時とか、ジョギングなどのトレーニングの時にヘビロテで流したいです。
ーーーありがとうございます。「1,2,3,4」って子供でも言える数字を、なぜにこんな狂ったテンションで発するのか(笑)
三浦:私はジェームス・ブラウンを思い出しました。ジェームスだとあのシャウトがもう歌になくてはならないものになってる感じがします。プリンスのシャウトもやはりこの曲になくてはならないものなのではないでしょうか。
ーーーさすが、おっしゃる通りです。プリンスに最も影響を与えたのはJBですし、プリンスは「シャウトのまま言葉を発する唱法」に発展させました。海外では「プリンスの金切り声スクリーミング曲ベスト30」とかわけのわからないランキングがあるくらいです(笑)
三浦:ああ、やはりそうなんですね。
ーーー三浦さんのおっしゃる通り、プリンスのビートはトレーニングや運動に向いてますが、時々トンデモなくエロい歌詞の曲もあるんで、場所によっては要注意です(苦笑)では2曲目はどのような感じで参りましょう?
三浦:エロいの嫌いではないですが、気をつけます(笑) 私の一番強いプリンスの印象はさっきの曲のようやダンサブルなイメージでした。それとは全く異なる「え?こんな曲もあるの?」というような曲があれば教えてください。
ーーーインド哲学を専門にされている三浦さんにリンクするかも知れない楽曲がありました。インドの経典にインスパイアされて書かれた「カーマスートラ」という曲です。
三浦:これは驚きです。組曲、映画音楽みたいな感じですね。インストで10分以上なんて!インドには人生で得るべき三大目標というのがあって、それがダルマ(法)・アルタ(実利)・カーマ(性愛)と言い、そのカーマ(性愛)を得るためのテキストブックが「カーマスートラ」なんです。そしてそのカーマ(性愛)は単なる性的な快楽を求めるだけでなく、それによって子孫繁栄して一族が栄えることを目指すものなんです。だんだん壮大になっていく曲調がその子孫の繁栄をイメージできました。凄い!
ーーーインドには人生の3大目標というのがあるんですね!初めて知りました。勉強になります。そしてカーマ。気まぐれな質問ですが、これって、よく言われるカルマ(業)とは違うものなんですか?
三浦:カルマとは全く違うものです。カルマはもともと行為とか作用を意味する言葉でそこから業(過去の行為が影響を及ぼすこと)の意味が出てきました。カーマは何かに対する願望や欲望、愛着といった意味で別のことばです。
ーーーなるほど、違うのものなんですね!三浦さんがおっしゃる子孫の繁栄へのイメージには。驚きました。この曲はマイテ夫人との結婚式のために録音されたんです。「結婚=子供が欲しい」と願った記録なのかも知れません。これに関連して、ぜひ伺いたいのですがインドでは「性と愛は切り離せない」と考えられているのでしょうか?
三浦:なるほど、そういう思いのこもった曲だったんですね。性と愛は基本的にはセットと考える事が出来ると思います。愛の定義にもよるのですが、性を追求することの一番の目的は夫婦円満にすること(あるいは伴侶にしたい異性の心を得ること)で家族を繁栄させることです。
ーーーそれは興味深いです。西洋のキリスト教文化の中にいたプリンスは、性と愛の分断に対して疑問を感じていたと思われるからです。裸のジャケットのLovesexyという組曲のアルバムがあるのですが、愛と性がくっついて一語になっていて。テーマは調和。先ほど、ダンサブルな曲を、とありましたが、ダンスは「生」や「性」のメタファーとして登場することがあって。カーマスートラによる「性の肯定」は救いだったのかも知れません。
三浦:なるほど、プリンスはそこで「カーマスートラ」に魅かれたんですね。性の肯定が生の肯定につながるわけですね。素晴らしい。ちなみに「カーマスートラ」は正直引くぐらい細かなセックスの技術的探求をしていきますから(笑)なかなか研究対象にしづらい文献です(笑)
ーーーなるほど、アカデミアの先生方が扱いづらいテーマこそ、殿下の独壇場かも知れません、あははは。
三浦:まさに!(笑)
ーーーちなみに、インドではモラル的に自慰行為に対しては寛容なのでしょうか?というのもキリスト教社会では「よろしくない」とされていて、プリンスはそれにも歯向かったんです。映画のパープルレインなんて、ギターをしごいたらギターから液体がビョーンと発射されるんです。普通、映画でそんなエンディングあります?
三浦:凄い映画ですね(笑)インドは自慰についてはどうなんでしょう。ちょっと調べてみないと分かりませんがヒンドゥー教や仏教では少なくとも罪として挙げていることは見たことないです。ただ仏教教団では女性と交わらなければよいというので同性や鳥獣との交わりをした人がいて、トラブルになるので改めてそれを禁止するという条項が戒律に残っています(笑)そう考えるとかなり大らかだったのだと思います(笑)
ーーーそれもまた凄い戒律ですね!でも、三浦先生が仰る通り、プリンスもインド文化に大らかさを見つけた可能性はある気がします。ホント勉強になります、プリンスだけ聴いていては解らない部分ですから。では、ダンサブル、インスト組曲と来ました、ラストはいかがしましょう?
三浦:私はサイモン&ガーファンクルのファンで、「明日に架ける橋」のようなピアノが中心になったメロディアスなバラードが好きなんですよね。なので、しっとりしたメディアスな曲があればぜひおしえてください。
ーーー三浦さんのご提案をきっかけに、サイモン&ガーファンクルの「明日に架ける橋」を改めて聴いているのですが・・・いいですねー、静かなピアノでシンプルに始まったと思ったら・・・次々に音が重なっていって。どんどん音が重厚になっていく感じ。サイモン&ガーファンクルの音楽に初めて向き合いました。この余韻の中で選んでみたいと思います。When We're Dancing Close And Slow
三浦:美しい。そして繊細な曲ですね。私はアコースティックギターの音色が好きで一時期自分でも弾いていたこともあるんですが、そのアコースティックギター音色で静かに始ってピアノも美しいメロディーを添える。そしてまたギターに戻っていく。刻まれるリズムがゆったりとしたダンスをイメージさせてくれます。湖畔の白いコテージで恋人と二人、という自分では全く経験したことのない映像を思い浮かべて聞いていました(笑)
ーーーありがとうございます!ほぼピアノだけの曲とも迷ったのですが、「明日に架ける橋」を聴いたときに、ピアノはもちろん、ピアノにスッと加わってくる音も心地よくて、この曲を選ばせていただきました。三浦さんはアコースティックギターの演奏もされていたんですね。
三浦:父がクラシックギターをやっていて、その影響もあってしばらく弾いていましたね。もう指がうごきません(笑)
ーーーお父様の影響だったんですね。音で「近づく、寄り添う情景」を表していたとは、ずっと気がつきませんでした。
三浦:そうですね、どこか寄り添うイメージが浮かびました。
ーーーそれを音で感じられる三浦先生が凄いと感じました。この曲は全ての演奏をプリンス1人がやっていて、アコギもヘッドホンでよく聴くと左右で別々の演奏が録音されてるんです。
三浦:ええ!本当ですか!
やっぱりプリンスは天才なんですね。たぶん全体の音の構成とかも浮かんじゃってるのかな。
ーーーピアノ・プリンス。ドラム・プリンス。アコギ1・プリンス。アコギ2・プリンス。シンセサイザー・プリンス。19歳くらいの録音です。
三浦:ええ!!!マジですか?恐ろしい・・・。
ーーーある意味、変態ですよ。
三浦:完全変態(笑)打ち込みじゃなくて自分が全部やってしまうところが凄いですね。
ーーーデビュー前にバンド組んだんです、プリンス。それでカバーとか演奏してて。地元のミネアポリスの音楽界隈では凄いヤツがいる、ってなってたらしいんです。でも、「バンドメンバーがオレの求めるレベルじゃない」ってことで「そんなら全部自分でやる」って、やっちまったのがこの人。
三浦:凄過ぎる。でも、できちゃうんですよね、一人で。う〜む・・・変態ですね(笑)しかもこんな美しい精細な作りの曲を。。。
ーーーそうなんですよ、変態だから。ステージでもギターは弾くは、ベースはならすは、ドラムは叩くは、ピアノもサンプラーも演奏するわ、おまけにハイヒール履いてダンス。
三浦:でも、そう聞くとライブの映像を見たくなりました(笑)推薦はありますか?
―――そうですね、各時代でステージングも全く異なるんですが・・・これはいかがでしょう?1曲目は“ロックギタリスト”なプリンス、2曲目が“ハイヒールダンサー”プリンス、3曲目が“ピアノ&バラード”プリンス。多重人格。
三浦:今ちらっと見ただけなんですが、カオスですね(笑)
ーーーカオス(笑)今日は三浦さんにたくさんお付き合いいただきましたが、率直なところいかがでしたか?
三浦:いやあ、ちょっと、じゃなく、かなり驚きました。こんな多様な音楽を自在に操るアーティストだとは正直思っていませんでした。いろいろと聴いてみたい気がしました。特にこのライブの映像はゆっくり観たいです。ミュージシャンに留まらない方ですね。アーティストと言う言葉が文字通りぴったりくる人だと再認識しただけじゃなく、かなり驚きました。
ーーーありがとうございます。ジャンル分けにも抵抗した人だから、総合芸術的で「わかりやすくない」のです。実は全部が突き抜けてる名レスラー、ジャンボ鶴田みたいな。
三浦:その例え、プロレスファンの私としてはとても分かりやすい(笑)
ーーー(笑)プリンスを主軸にスタートしたのに、インド哲学から、明日に架ける橋、エロ変態まで飛び出して、とても興味深かったです。三浦先生のおかげで世界が拡がり、僕のほうこそ同じ音楽が違って聴こえるような体験でした。
三浦:こちらこそ、私のプリンス像が全く変わりました。まだ「簡単には理解できない人」という時点ですが、それが分かっただけでも嬉しいです。昔聴いていた「バットマン」も違うように聴こえてくるように思います。やはり語り合うことで様々な風景がひろがっていきますね。
ーーーほんとですね!これらからもいろんな景色を教えてください。貴重なお時間をいただきありがとうございました。
三浦:こちらこそありがとうございました。
(インタビュー・構成 Takki)
プリンス 7 つの質問 10 R. Ochiai
1.あなた自身を紹介してください。
R.Ochiai 日本人 バイオリン講師です。音大在学中に弟子入りしたポップス・バイオリニストの下で、裏方業に興味を持つようになり、スタッフとして音楽業界に入り、バンド系・R&B,Hiphop系のアーティストマネージャーになりました。その後、ストリングスアレンジや演奏活動をしている中、先輩の薦めで音楽教室の講師に。家業の営業も務めるWワーカーです。趣味は仕事、映画・映画音楽鑑賞、宇宙全般、軍事から香水まで主にインドア系で超多趣味だと思います。
2. あなたはどうやってプリンスファムになったのですか?
高校生の時、地元の中古レコード屋に飾られていた「Lovesexy」や雑誌のレコ評で「Graffiti Bridge」を見かけたのが最初の出会いです。なんだかすごいセンスだなぁと思いつつ、自分が子供の頃からクラシックの英才教育を受けていたので、"1000種類の楽器が弾けて、多重録音で全て1人で演奏しているマルチミュージシャン"というプロフィールが気になっていたが、音を聴くまでには至らずでした。
きっかけは、深夜テレビ放送した「Diamonds & Pearls」のライヴを録画したものを観た時でした。当時は、コンクールでの酷評や音大受験失敗で、音楽を続けるべきか、自分の能力に絶望して最も苦しんでいた時期で、何気なくどんな感じなんだろうと録画して観たPrinceのパフォーマンスに衝撃を受けたんです。
それまで観てきたクラシックの演奏家のコンサートでは感じた事がなかった衝撃で、画面の中のPrinceは全てが完璧で洗練されていて、「何を悩んでるの?音楽は自由なんだよ」って言われているように感じて、衝撃と感動で泣いてしまいました。音楽で心が揺さぶられたのは、あれが初めてでした。
そして、世界には作曲・編曲・演奏だけじゃなく、全てをこなす超人がいる、自分は自分の能力なりに音楽と生きていけばいいんだと思えて救われたんです。クラシックやってる人なのに、プリンスの何がそんなにいいの?とよく聞かれます。その答えは、プリンスが亡くなった時にU2のボノが出したコメントそのものです。
"モーツァルトには会ったことがない。デューク・エリントン、チャーリー・パーカー、エルヴィスにも。でもプリンスに出会った"
3 .あなたの最も記憶に残る「紫の経験」は何ですか?
・プリンスを教授してくれた友人
お互いの好きな曲の傾向が似ていて、ブートからPrinceのルーツ音楽に至るまで教えてくれた先生のような存在の方がいました。当時の私が知らなかっただけで、ある世界の超有名人です。そのころ定期的に送られてきたり、手渡されたオリジナルのミックステープは今も大切な宝物です。
・プリンスの子供の頃の友人
2016年11月に行ったミネアポリス の教会で、中を見学させてほしいと交渉していたら、翌日のライブの準備に来ていた彼と遭遇しました。ペイズリー・パーク・スタジオの帰りで、シンボルマークだらけの私に気付いた彼が、海外から来たプリンスファムだから、と交渉してくれたら、教会側もあっさり案内してくれました。彼はプリンスとは通学仲間であり、彼の自宅にもよく遊びに来ていたそう。彼もあるグループのミュージシャンで、翌年の来日公演に行って以来、いろんな思い出話やミネアポリス の音楽事情を聞かせてくれる大切な友人となりました。
・プリンス本人の品を譲り受けた事。
形のあるなかではいちばんの宝物ですね。
4. あなたのトップ3のソウル・ソング(重要曲)は何ですか?
Little Red Corvette
歌詞の意味もまだよくわからなかった頃から、意味を理解した今に至るまでNo.1です。この曲の切なさが無条件にたまらなく好きですね。仲良くなる人は、この曲をNo.1に挙げる人が多いかも知れません。だからNo.1 Soul Songです。
Diamonds & Pearls
はまるきっかけの曲です。MVはどれだけヘビロテしたかわかりません。メロディーの美しさ、歌詞の世界観、この人の精神世界はどんな風なんだろうと、プリンスの内面に強く興味を持った曲です。
Gold
"All that glitters ain't Gold"(キラキラ光るものすべてが黄金ってわけじゃない)の部分は、物事を見る時の戒めにしています。形や見た目に捕われずに、本質を見極める事。似たような歌詞があるInto The Lightも、似たような意味で個人的に重要な曲ですね。
5. 素晴らしいアーティスト/ミュージシャンをプリンスが私たちに紹介しました。あなたのお気に入りは誰ですか?
スライ& ザ・ファミリー・ストーン
Diamonds & Pearlsから聴き始めたので、そこからのリアルタイムを聴きながら、過去も遡っていく中、ルーツとされる音楽に辿り着いた時、プリンス以外に好きで聴いていたスライやPファンク、オハイオ・プレイヤーズがプリンスの時間に存在していたのは、うれしかったし、だからPrinceの音が好きなんだと納得しました。自分が好きな音楽を再確認しているような気がしました。
6. プリンスの音楽は人生の教訓とメッセージでいっぱいでした。プリンスがあなたに与えた最も重要なものは何ですか?
"音楽は自由なんだよ"
質問2と重複しますが、クラシック音楽は、様々な守らなくてはいけない奏法・作法がある音楽の世界で、その中で道を見失いかけていた自分に、プリンスは光を与えてくれました。私の人生に音楽をどう活かすのか、そのために闘うことも時には必要だとも教えてくれたんです。音楽と共に生きる道を照らしてくれたから、今の自分があります。
7. 次世代にプリンスを紹介する方法は?
まず動画や人気のあるコンテンツで、特定の楽曲が頻繁に使用されれば、音を耳に残すことが可能だと思います。そして大人たちが聴き続けて、語ることです。洋楽が好きな人は、周りの大人が聴いていた影響で好きになったという人が昔から多いですし、私がプリンスを聴いて話すので、親戚の子はプリンスの曲が、彼女が好きなアーティストにカバーされた時に、「すぐわかった!」と言ってきたことがあります。
彼は様々なビジュアル・音楽性を持っていたから、対象にする時代・世代に適した面をアピールできたらいいと思います。長年のFamが思う感覚と、これから興味を持つ世代の感覚。情報を提供する側が、柔軟な感性を持ち続けていける事も大事かと思います。
プリンス 7 つの質問 09 坂本 圭
1.あなた自身を紹介してください。
君を傷つけるつもりもなかった」
君には絶対分からない何かだ
絶対に君をたたかない
絶対に嘘はつかない
君が罪深くてもそのうち許すよ」
LGBTという概念をご存じでしょうか?欧米では1990年代中盤以降に一般化された言葉でレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの略です。LGBTという用語は「性の多様性」と「性のアイデンティティ」からなる文化を強調していて、プリンスの価値観に近いように思います。
プリンス 7 つの質問 08 やすたけ くにこ
1. あなた自身を紹介してください。
FM東京(現・Tokyo FM)でプリンスを初めて聴いてから今年で37年目のやすたけ くにこです。ジャズ好きな叔母の影響で洋楽を聴き始め、スティーヴィー・ワンダーのLiving in the City(邦題:汚れた街)という曲の歌詞を知って愕然としたのをきっかけに、様々なジャンルのブラックミュージックやそれに影響を受けたアーティストの曲をますます傾聴するようになりました。ブラックミュージックへの興味は徐々にアフリカ系米国人の歴史への興味に発展し、自分の学びやキャリアにとても大きな影響を及ぼしました。
2. あなたはどうやってプリンスファムになったのですか?
私にとってプリンスのイントロダクションとなったアルバムは、 1999 と Purple Rain 。次に手に取ったのがFor You で、その時すでに発売から何年も経っているにもかかわらず、収録曲がすごく新鮮に自分の耳に入ってきたことに大変驚かされました。さらにこのデビュー・アルバムのクレジットには “produced, arranged, composed and performed by Prince”とあります。作詞作曲、楽器演奏、曲作りの仕上げまで一人!びっくり!!さらに録音時はまだ10代の未成年・・・。ピアノひとつマスターできない自分には、プリンスは「音楽の神様」のように見えました。For You で彼の神業に目覚め、さらに続けて当時リリース済みだったアルバム三作を聴破した頃には、今後プリンスが発表するアルバムは全てチェックして行こう、と決めていました。
3 .あなたの最も記憶に残る「紫の経験」は何ですか?
今思い出しても非常に残念な、でもありがたい気分になる貴重な出来事ーーー2003年の初春、私はミネアポリスに在住。ある日、アップタウンにあるアパートから徒歩圏内にある書店に米国人の友人と一緒に行きました。その書店の中ほどにあった新刊が平積みされたテーブルに “Possessed: The Rise and Fall of Prince”という本が置かれているのを見つけた私は、ちょっと苛立った口調で
「何この題名、失礼なっ!こんな本を書いたり出版する人がいる?!
と言う自分がいた。まだなりたい自分になっていなかったから?プリンスの影響を受け、自分の中で長い間育ててきたアイデアがまだ形になっていなかったからなのか?よく分からないまま時間が過ぎて行きます。その場から動けない私。動かないプリンス。その体感時間は少なくとも数分…本当は1分程だったかもしれませんが。同伴の女性がプリンスの袖を引っ張ると、プリンスはゆっくりと雑誌売り場の方へ歩き出しました。やっと正気に戻った私に友人は一言、「長かった・・・ね。」
そして幾つかスポーツ誌に手を伸ばしたプリンスは、女性のお買い物が済むとすぐに音もなく店を後にしました。そのとたん、店員を含めその場に居合わせた数人が一斉に“はー”っとため息に似た呼吸を一つ。プリンスの横で同じくスポーツ誌を立ち読みしていた男性は、「“Nice boots!”って言おうと思ったけど、なんかカッコ悪くて言葉にできなかった」と、苦笑していました。
4. あなたのトップ3のソウル・ソング(重要曲)は何ですか?
3曲に絞るのは難しいですが…
5. 素晴らしいアーティスト/ミュージシャンをプリンスが私たちに紹介しました。あなたのお気に入りは誰ですか?
その芸術性、プロフェッショナリズム、自信と自分らしさの表現の点で、ウェンディ&リサ、シーラ E.、ボニ・ボイヤー、そしてロージー・ゲインズを尊敬しています。プリンスの横に立っても彼と互角に渡り合うステージ・プレゼンスは圧巻です。
Rosie Gaines - Nothing Compares To You from Eric Robinson on Vimeo.
6. プリンスの音楽は人生の教訓とメッセージでいっぱいでした。プリンスがあなたに与えた最も重要なものは何ですか?
プリンス 7 つの質問 07 杉山 鉄男
1.あなた自身を紹介してください。
杉山鉄男と申します。日本🇯🇵の真ん真ん中?の岐阜県岐阜市に生まれ住んでおります!1962年6月21日生まれ、『ふたご座』です!!仕事は家族で小さな織物工場を営んでいますが、私自身が7年前に病気をしまして、現在も闘病中。工場でのハードな仕事は無理なので、アドバイザー的な仕事をしています。趣味は音楽鑑賞〜プリンス、プリンス関連のミュージシャンは勿論の事、ホール&オーツ、マイケル・ジャクソン、クィーン、スティング(ポリス)、ビートルズ、シャーデー、グロリア・エステファン、YMO、椎名林檎、好きなアニメのサントラなどなど〜を好んで聴いてます!
映画鑑賞〜ブレードランナーやエイリアン、ブラックレイン等のリドリースコット作品、アベンジャーズやX-men等のマーベル作品、スーパーマン、バットマン等のDC作品、そしてAKIRA!等が大好きです。勿論、プリンスのパープル・レインやサイン・オブ・ザ・タイムズの映画も欠かせません!!
そして、イラストを描く事!!実は僕は12〜13歳の頃から漫画家を目指していまして、毎日の様に絵を描いていました。そして中2の頃に、少年漫画雑誌の読者ページに漫画似顔絵(既存の漫画を題材にしてハガキに描くイラスト)の投稿に没頭する様になりました。マガジンやサンデー等の少年誌に投稿しましたが、そんな中でも情熱を燃やしたのが、『週刊少年キング』の似顔絵コーナー! 毎週、読者から投稿される漫画似顔絵から選考された20枚程の作品が、見開き2ページを埋め尽くすわけですが、A、B、Cクラス、金銀銅賞と実力に応じてランク付けされ、その頂に立つのが毎週『第◯代〜』として選ばれ、1番大きなサイズで掲載される最高位『チャンピオン』!更には、半期毎に開催される『チャンピオン大会』では、チャンピオンの中のチャンピオン、グランドチャンピオンが選出され、作品は原寸大(ハガキサイズ)で掲載される!
もう、目指せチャンピオン!!と、各雑誌の漫画似顔絵投稿家は皆んなキングには力作を投稿していました。
絵の技術やアイデア、レイアウト等をハガキサイズで展開し、腕を競うに最高の舞台でしたね。現在描いているプリンス画などの絵の技術は、ほぼ全てこの時期に身に付けたと言えます。『少年キング』に似顔絵投稿していた方々から漫画家やイラストレーター等のプロで活躍されてる方も沢山おられ、映画化もされた菅田将暉主演『帝一の國』の原作者の古屋兎丸先生もそのおひとりです。
僕の『少年キング』での主な戦績です。
1977年、第33代チャンピオン獲得
1978年、第11代、15代チャンピオン獲得
1980年、第20代、24代チャンピオン獲得
1980年上半期チャンピオン大会、グランドチャンピオン獲得
もちろん自分のオリジナルのイラストや少しですが漫画制作もしており、高校生になってからは漫研の運営等の活動もしていましたが、漫画家になるという夢は叶いませんでした。30歳を過ぎて結婚し家庭を持ち絵を描く事からも遠ざかっていましたが、2016年4月にプリンスが亡くなってから、あれだけ沢山イラストを描いていながら、プリンスを描いた事が無い事に気付き、酔ってチラシの裏に描いたプリンスイメージイラストをFBにアップし始め、2017年11〜12月に「プリンス・アート・コンテスト」に自身初となる、リアル系のプリンスを描いてエントリー!そしてなんと、その数ヶ月後に世界発売された英語版の『Words'O'Prince』のアートチームに加えて頂き魂を込めてプリンスアートを描かせて頂きました!“WOP”参加までの1年間の展開は最近では類を見ない劇的なエキサイティングな体験でした!
そして、それは〝This ain't over yet...!〟
ドライブも好きで、よく大自然の中、ゆったり車を走らせてます〜♫
2. あなたはどうやってプリンスファムになったのですか?
えーと、実は僕は18〜19歳までは日本のポップスとかも聴いて無くて、ブルース ・リーの映画サントラや好きなアニメのサントラばかり聴いていました。その後、弟の影響などもあり洋楽(ビートルズやクィーンなど)を聴く様になり、そしてテレビのMV番組の普及により、マイケル・ジャクソン、マドンナ、カルチャー・クラブ、デュラン・デュランなどなどを聴く様になったのですが、当然の事プリンスも見かける様になりました。1999のMVがプリンスの初認識だったと思いますが、「プリンス⁉︎個人名?バンド名?変わった奴、キモい奴だなぁ〜」というのが初印象でした(^_^;)
音楽番組はしょっちゅう観ていたので、プリンスの音楽が目から耳から入ってくる機会も増えた頃に『Purple Rain』の数々のMVが流れ始め、気がついたらドップリとプリンスの虜になっておりました!何かこう、プリンスは最初は見た目のイメージが先行して、すぐに『聴こう!』とはならなかったのですが、耳にする毎にその音の異質さに気づき、惹き込まれて行った感じかなぁ。
そして深夜のSONYミュージックTVで観たニューヨーク州はシラキュースでの『Purple Rain』のライヴ映像の質量!熱量!
それまで観たり聴いたりしたアーティストとは明らかに別次元なのでは!?と感じました。(専門的な事はわかりませんが、感覚的にそう思いました。)
それからというもの、聴く音楽のプリンス率はグーンとアップ!CDも出る度に欠かさず手に入れましたが(最初の頃はレンタルしてカセットに録音)、とにかく〝ぼっちプリンス〟(^_^;) 近くにプリンスについて語り合う相手もおらず、名古屋のラブセクシーツアーを観に行くのも独り。サイン・オブ・ザ・タイムズの映画を観に行くのも独り…。
ただ、横浜に住んでる漫画で繋がった親友はマイケル・ジャクソンがメインですが、プリンスも聴く奴!岐阜から横浜に遊びに行く時はいつもプリンスのカセットテープをドッサリ積んで、高速道路を走る最中や、横浜で親友を乗せて走る時なんかは、車内で掛かる音楽はほぼプリンスオンリーでした!まあ、結婚前後からは横浜に遊びに行く事も無くなり、また〝ぼっちプリンス〟に戻りましたね。ワン・ナイト・アローンです。
そして出る度に購入してた筈のCDも、クリスタル・ボールやロータス・フラワーなどの買い忘れ?が!!1990年代後半から2000年代のCDも買うには買っていましたが、80年代程の頻度では聴かなくなってました。
しかし『HITNRUN』フェーズワンが出た頃から、聴く頻度の低かったCDを聴き直し始め、『ザ・レインボウ・チルドレン』に衝撃を受けまくり、ヘビロテで聴いていた矢先の2016年4月22日早朝にヤフーニュースで目に飛び込んで来たあの報せ…。今も信じられていない自分が居ます。
3 .あなたの最も記憶に残る「紫の経験」は何ですか?
Most memorable "Purple Experience"!!2016.4.21以前なら間違いなく、この目で観た最初で最後の生プリンス!1989年の名古屋でのLoveSexyツアー!!と答えた事でしょう!勿論それは今後も揺るがないと思います。
ただ、最近それに匹敵する、新たな"Purple Experience"が僕の記憶に強烈に書き加えられました!事の始まりは、2017年の『ラヴシンボル・フラッグリレー』!!2016年秋頃よりSNSでのプリンスファム繋がりが広がりつつあった僕の目に入って来た『ラヴシンボル・フラッグリレー』イベント。なんと、2017.5.13に隣県の名古屋で開催されたプリンス・イベントでトークライヴに参加。その時にフラッグ・リレーに参加出来るチャンスがあるという!これは是非いかねば!せっかくなら、言葉だけじゃなくプリンスのイラストを描きたい!!
早速、ビールを呑みながらチラシの裏にプリンスイメージのイラストを練習がてら描き始めました。そして念願叶って『ラヴシンボル・フラッグリレー』にプリンスを描く事が出来ました!
その後2017年秋頃に「プリンスの言葉チーム」の主催で『プリンスARTコンテスト』開催のお知らせ!せっかく十数年ぶりに絵(プリンス)を描き始めたのだから、このコンテストにチャレンジするのは宿命だな‼️と勝手に思い込み、サラッと描いた1枚をエントリー!
ただ、「どうせ描くなら魂を込めた作品を‼️」という想いが残ったので、オール点描画のプリンスを7日程かけて描いてエントリーしました。久々の描ききった感!!!(笑笑)そして年が明けて2018年1月後半頃からでしょうか、世界版の『Words'o'Prince』へのART参加の打診があり、2月後半に正式にARTTEAMに加入‼️リアルな画風でのイラストを求められ、過去に描いたイラストの殆どがマンガ風イラスト(プリンスアートコンテストにエントリー作品は除く)しか描いて来なかった僕にとって、新たな、そしてエキサイティングなチャレンジとなりました!!これぞまさに、僕にとっての新たな"Purple Experience"となりました!!
4. あなたのトップ3のソウル・ソング(重要曲)は何ですか?
ソウルソング!しかも3つ!!
殆ど音だけで聴いて来たので〝ソウルソング〟と言って良いのかわかりませんが、強いていうなら…。
I would die 4 U
英語が出来ないのでさほど歌詞の内容もわからず、何故か!と答えるのも難しいのですが〜。初めて聴いた時から心に突き刺さって揺るがないから!ですかね〜。(I would〜からのBaby I'm a starの一連の流れで聴くのもお気に入りです)I would die 4 Uは朝のアラームやスマホの着信音にしています。
Gold
こちらは就寝時に聴くプレイリストで、常に自分の側に在る曲です!(勿論、プリンス全般にiPhoneに入っているので他の曲も何時も側に在りますが^^)このキラキラしたポジティヴな感じが好きです。
The Most Beautiful Girl In The World
テレビで『The Beautiful Experience』で観て曲&映像で感動し、1996年の妻との結婚式の新郎新婦入場シーンで使用した曲なのです(^ ^)
これら3曲は僕にとって、様々なシーンで聴きたくなったり勇気付けられたりする曲と言えます!!
5. 素晴らしいアーティスト/ミュージシャンをプリンスが私たちに紹介しました。あなたのお気に入りは誰ですか?
これはもう、何と言ってもSheila E.ですね!多分、Glamorous LifeのMVでその姿を初めて目にしましたが衝撃的だった記憶があります!あんなに美しくスタイルの良い女性が、パーカッション叩きながら歌っている!!!驚きでした‼️そして1985?だったかのAmerican Music Awardで演ったGlamorous Life!真っ暗な中での光るスティックでのパーカッションのカッコよさに完全にノックアウトされました💜
Music Video版のプリンスの〝I would die 4 U〟に出てくるシーラEも大好きです!プリンスのキューからのシーラのパーカッション!あの幾度となく繰り返す掛け合い!サイコーです!!
そしてそして、映画『サイン・オブ・ザ・タイムズ』のシーラのドラム!中でも中盤のドラム・ソロのシーンが大好きで、『Words'o'Prince』に描いた2枚のシーラEのうちの1枚はそのドラムソロのシーンからのストップモーションを点描で描写しました!!
あともうひとつ、先にも挙げました1989年名古屋での〝LOVESEXY TOUR〟…。距離的には離れていましたが、プリンスとシーラEと同じ空間の中にいられたなんて、今思い出しても興奮してしまいます!一生忘れる事の無い、最高の想い出のひとつです!!
アルバムで言えば『The Glamorous Life』『Romance 1600』の2枚は特に好きで、今でも良く聴いております。勿論、『Iconic(Message 4 America)』も!!〝Brackbird〟の歌声…癒されております💜
6. プリンスの音楽は人生の教訓とメッセージでいっぱいでした。プリンスがあなたに与えた最も重要なものは何ですか?
いつも前に一歩を踏み出せる勇気、志しを忘れない!思い出そう!という魂が宿って来ました。これは2016.4.21以前には意識した事も無かったのですが、プリンスが永遠の存在になって以降、色々な場面でその魂が現れます(控えめですが^^;)
2016年の夏、選挙関連のニュース番組を観ていてたまたま映った名古屋のBARの壁に『The Rainbow Children』のジャケット画を発見!その週末に妻を連れて、そのBAR『POPLIFE』にGo‼️2016年年末には自身初となるプリンスイベントへの参加‼️
それ以外にもラヴシンボル・フラッグリレー参加やプリンスアートコンテストにチャレンジしたり、『WOP』ART参加などなど、以前なら「どうしようかな?」と考えているうちに終わってしまうケースも多かったと思います。
まだまだ全てのシーンで前に踏み出せてる訳では有りませんが、その想いは何時も心に持っていようと思います!
『さあ立ち上がれ!だって君の人生だろ?』
7. 次世代にプリンスを紹介する方法は?
世界中のプリンスから影響を受けた様々なミュージシャン、アーティスト、そしてメディア等がプリンスの音楽や生き様を取り上げ紹介して欲しいですね。映画とかのプリンス曲の使用とかも含めて。そういう事からプリンスの凄さがじわじわと拡散されるような気がします。
最近ではオリンピック二大会連続金メダリストの男子フィギュアスケートの羽生結弦選手が2016-2017シーズンのSPでプリンスのLet's Go Crazyを使用し、プリンスに敬意を表した全身全霊をかけた演技で全世界を興奮の渦に巻き込みました!世界中で大ヒットした映画『Kingsman: The Golden Circle』や『Ready Player One』、そしてスパイク・リー監督の『BlacKkKlansman』ではプリンスの楽曲が使用されました!
まだまだ認知度の低い日本でもプリンスにスポットライトを当てたTV番組が増えて来ました!この様な動きの中から新たなるプリンス世代が間違い無く、生まれ育って来ていると思います!!
現に以前、プリンスを特集したTV番組の制作に関わった方の元に「番組を観てプリンスを聴くようになりました!ありがとうございました!」と感謝の気持ちを伝えに来た若い女性の方々に遭遇しました!最近の各地で開催されるイベントでも、高校生、20代のプリンスファムの方々の参加を確認していますし、なんとプリンスの曲でDJする中学生にも出会いました!!2そんな若い彼等ファムから次世代への拡がりも期待出来そうです!!僕個人としてはプリンスの音楽そのものではありませんが、絵で表現したプリンスを少しずつでも発表し続けて行きたいと考えております。https://twitter.com/Otsutema_S